先日の日本経済新聞に掲載された、京都大学・山中伸弥教授のインタビューを読み、とても強い印象を受けました。記事はこちら:
〈直言〉iPS発見、恐れ抱いた 山中伸弥氏(日本経済新聞 2025/8/31)
山中教授はiPS細胞の発見でノーベル賞を受賞された世界的研究者ですが、その先生が生成AIについて次のように語られていました。
「私は生成AIのヘビーユーザーで毎日1、2時間対話している。これまで生成AIなしでよく研究していたなとすでに思う。知識量では私が間違いなく負けている。」
「知識量でAIに負ける」と率直に言えること自体、教授ご自身が膨大な知識を持っているからこその言葉だと思います。そして、その事実を認めたうえで、生成AIを“相棒”として徹底的に活用している姿勢に、強い感銘を受けました。
私は以前から、AIは人間を置き換えるものではなく、人間が「判断」や「戦略」に集中するための外部脳だと考えてきました。山中先生の言葉を拝見して、自分の考えが少しは方向として間違っていなかったのかもしれないと感じ、心強さを覚えています。
「AIが100も200も提案した実験をやるかやらないか、どう組み合わせるのか判断するのは人間だ。」
生成AIの進歩は速く、数年後にはまた違う見方が必要になるかもしれません。それでも、今の時点で「恐れずにAIを認め、活かす」という態度こそが、未来を切り開くために欠かせないのだと思います。
この記事全体は、iPS細胞研究の倫理や医療応用の進展についても触れており、大変読み応えのある内容でした。引用部分はごく一部ですので、ぜひ記事全体をご覧いただくことをおすすめします。