前回、商標審査基準を素直に適用したら、「MORE」と「More Clean」は類似するという話をしました。
でも、本当に類似するのか?気になりますよね。
こんなとき、何か、客観的な証拠が欲しいと思うはずです。
そこで、こういう場合は、他の登録事例がどうなっているのかを調べてみるとよいです。
かといっても、あまりに商品群が離れていては、意味がないので、どうしようかな~と考えるわけですね。
今回の商品は、「歯ブラシ」ですから、それと同じような商品、たとえば、「歯磨き」や「石けん」なんかで、過去に、「MORE」と「More Clean」が類似していると判断されていたらあきらめようかということになるわけです。
逆に、「MORE」と「More Clean」が類似せずに、併存して存続しているのであれば、チャレンジする価値はあるかなあと考えるわけです。
ただ、注意してください。指定商品が重複するところで、「MORE」と「More Clean」が併存していないと駄目です。
たとえば、指定商品「石けん」について、「MORE」と「More Clean」が他社によって併存して登録されているという事例があると、いいですよね。
こんな事例をできる限り集めて、「MORE」と「More Clean」が類似していないという証拠で外堀を埋めていきます。
しかし、このような過去の併存登録例は、あくまでも外堀に過ぎません。全く同じ事案ではないですから、特許庁からたった一言、「出願人は、意見書において、事例を挙げて種々述べているが、事案が異なり、本願には採用することができない」と一蹴されてしまいます。
あ~、審査官は、ほんと・・・・・な商売ですね。
じゃあ、ちょっと、具体的に、併存登録例があるか見てみましょう。
特許電子図書館のトップから、商標検索を選んで、
そこの、称呼検索というのを選びます。
称呼に「モア」を入れて、類似郡コードに、せっけん類の類似郡コードを入れます。
または、商標役務審査基準で調べます。
類似郡コードを調べる作業も大変ですが、また追々。
で、46件のリストを表示すると、
でましたね~
おっと、「モア」ってのもありますよ。
さすがに、全く一緒のはないですが、「モアクリア」というのもあるじゃないですか。
この併存登録例は使えそう・・・・・??でしょうか。
「モア/MORE」と「モアクリア」が併存している。
しかも、「クリア」ってのは、Clearのことで、汚れのないとかって意味ですから、Clean(きれいな)とほとんど一緒。
これは使えそう!!って思うわけですよ。
でもちょっとまった、この併存登録をそのまま使っていいかは、すぐには断定できませんよ。
それは次回に。