こんにちは。大阪で特許事務所を超大々的に経営しております弁理士の高山です
今週、請求項の数が100個くらいある出願の審査結果が返ってきました!
独立項も、何十個もあります。
普通の弁理士の感覚だと、そんなに独立項がたくさんあったら、単一性違反で拒絶理由通知がくると感じると思います。
しかし、単一性違反は指摘されませんでした。
「同一の又は対応する技術的特徴」も、先行技術から、厳密に解釈したら、「特別」ではないと判断されてもおかしくない事案だったのですが、全ての請求項が審査されました。
特許庁も基準を緩くしてきたのか、あまりに、いままで杓子定規すぎましたので、私としては、良かったです。
なぜ、そんなにたくさんの請求項があるかというと、発明を、構造面や機能面、制御面、ソフトウエア面など、多面的な観点から捉え、請求項を作成しているからです。
仮に、構造面で迂回されても、制御面でおさえるというような感じで、請求項を捉えた出願にしたからです。
普通の弁理士の感覚なら、そんなにたくさんの請求項を作ると、単一性違反が怖いと感じるのですが、単一性違反なんか、所詮、分割出願すれば解消するわけです。
大事なのは、依頼者が求める結論「迂回されない」「出来る限り広く権利を取りたい」などといった要求を全力で満たすことを考えるべきかと思います。
保身は、良くないですね。
まあ、今回の出願は、かなり革新的な発明で、他に誰も出願して無く、先行技術は、自社の出願だけという希な状態でしたから、特許庁としても、審査に手間はかからないので、単一性違反を指摘して、印紙代をせこく稼ぐよりかは、審査を済ませた方がよいと判断してくれたのだと思います。
審査官に感謝。
ただし、最近は、費用削減、経費削減、いくらでやってくれ、という要望が多いですから、本当に費用をかけてでも、自分の発明を守ろうという考えの方は、減りましたね。
そういう面では、ほんと、弊所は、お客様に恵まれて、いろいろ経験させていただき、幸せです。