このAI時代に、“人間”であるとは何か──私が問い続けた一年の答え
2024年7月26日。
長野県主催の知的財産支援フォーラム2024 in 長野にて、
「AIを使ったアイデア出しとAI特許の取り方」というテーマで登壇しました。
それが、すべての始まりでした。
この講演の準備をきっかけに、私は生成AIと本気で向き合い始め、
自分の知財実務の在り方そのものを問い直しました。
そして、AIを実務に組み込み、業務フローを全面的に再構築し、
顧問先にもご理解とご協力をいただきながら、“人間だからこそできること”を中心に据えた新しい仕事の形を築いてきました。
その結果として、2025年5月から9月にかけて、
多数のセミナー登壇・執筆依頼をいただいています。
これは、ただの偶然ではなく、1年間考え続け、実装し、発信し続けた成果だと感じています。
ただ、このプロセスを通して私がもっとも強く感じたのは、
「人間であるとは何か?」という問いが、今ほど切実な時代はないということでした。
「人間であること」の放棄とは何か?
今、世の中には「AIに仕事を奪われるのでは」と不安を抱く人が溢れています。
でも、私は逆に、こう感じるのです。
本当に危ういのは、AIに奪われることではなく、人間であることを“自ら手放す”ことだと。
それは、具体的には以下のような行動に表れます。
- 自分で考えず、AIの答えをそのまま信じること
- 判断や責任を他者や制度に預けること
- 対話を避け、異なる意見と交わらなくなること
- 不確実性や矛盾を許容できず、効率だけを優先すること
- 「何のためにやるのか」を問わずに、ただ動くこと
これらが当たり前になるほどに、私たちは少しずつ「人間らしさ」を失っていくのではないかと、私は本気で危機感を抱いています。
それでも、私はこう選びたい
AIはすでに、私たちの業務や生活の中に深く入り込んでいます。
でも、だからこそ——
「今、何を問い、何を伝えるのか」
「この技術革新の中で、人間として、どうありたいのか」
この問いを、私は投げかけ続けたいと思っています。
人によっては、「そんなの考えすぎだよ」と言うかもしれません。
実際、私のこの考え方は、いくつかの組織や人間関係の中では“浮いてしまった”ようにも感じます。
でも、それでいいのです。
私は、共に考え、共に進もうとしてくれる人とだけ、未来を築いていきたい。
生成AIの時代に、
あえて人間らしく立ち止まり、迷い、考え、語る。
その営みこそが、人間にしかできないことだと信じています。
「変わらない世界に怒るより、変わる人と進みたい」
この1年の旅の終わりに、そしてこれからの出発点に、
私はここに、この答えを残しておきます。
📝タグ例:
#AI時代の問い #人間らしさとは #生成AIと知財 #知的実務の未来 #白馬から考える