知財業務において、特許請求の範囲(クレーム)の作成は極めて重要なプロセスです。クレームの表現次第で、特許の権利範囲が大きく変わり、出願の成功可否にも関わります。しかし、適切なクレームを構築するには時間がかかり、熟練したスキルが求められるのも事実です。
そこで今回は、ChatGPTを活用してクレーム作成を劇的に効率化する方法をご紹介します。🛠✨
1. ChatGPTを活用したクレーム(=請求項)作成のステップ📌
❶ 基本的な発明の説明を入力する
まず、発明の基本構成や特徴を簡単に入力します。
例:「センサーを用いた自動開閉機構を備えたドア」 👉 ChatGPTのプロンプト:「この発明の特許請求の範囲を作成してください」
すると、ChatGPTは基本的なクレームの構造を生成してくれます。
❷ クレームの範囲を広げる / 狭める調整を行う
広いクレームと狭いクレームのバランスを調整することで、強力な特許を作成できます。
プロンプト例:
- 「このクレームをより広い権利範囲にしてください」
- 「このクレームを具体的な技術要素を含めて狭めてください」
👉 ChatGPTが出力するクレーム例:
- 広いクレーム: 「センサーを用いた自動開閉機構を備えた装置」
- 狭いクレーム: 「赤外線センサーとモーターを用いた自動開閉機構を備え、開閉速度を調整可能なドア」
❸ 従属クレームの作成を自動化
主要クレーム(独立クレーム)を作成したら、従属クレームも生成できます。
プロンプト例:
- 「このクレームの依存クレームを3つ作成してください」
👉 ChatGPTの出力例:
- 前記センサーが、赤外線センサーである請求項1に記載の装置。
- 前記モーターが、サーボモーターである請求項1に記載の装置。
- 前記開閉機構が、開閉速度を調整可能である請求項1に記載の装置。
2. ChatGPTを活用するメリット✨
✅ クレーム作成のスピードアップ 👉 ChatGPTに基本情報を入力するだけで、短時間でクレームの素案を作成できます。
✅ 異なるバージョンを瞬時に生成 👉 権利範囲を広げる・狭める調整が簡単にでき、適切なクレームを選択可能。
✅ 抜け漏れの防止 👉 依存クレームをAIに生成させることで、重要な要素の追加を見逃しません。
✅ 発明の本質を客観的に整理 👉 ChatGPTが異なる視点からクレームを提案するため、新しい表現方法や視点に気づくことができます。
3. まとめ📢
ChatGPTを活用すれば、クレーム作成のプロセスを大幅に効率化できます。適切なプロンプトを入力することで、短時間で高品質なクレームを作成可能です。特許出願の成功確率を高めるために、ぜひAIを活用したクレーム作成を試してみてください!
次回は「特許調査の効率化!ChatGPTで先行技術を素早く把握する方法」について解説しますので、お楽しみに!🎯