年始にあたって~弁理士の将来性~

弁理士業の将来性について
下記は、年間の特許出願件数と弁理士の登録人数、弁理士一人当たりの出願件数の単純計算を表したものです。

私が開業した2005年以来、年々、特許出願は減っていますし、単純計算での一人当たりの出願件数も減り続けるという状況です。

こんな状況にもかかわらず、弊所は、2005年の開業以来、多少の前後はありますが、売上は、右肩上がりで維持することができ、年計で売上が2500万円~3000万円をキープすることができるようになってきております。

年々、経費も増えてくるので、利益は横ばいのままですが…。一応、実績を、東京商工リサーチには、毎年出しています。

本当に、ご依頼いただいているお客様には、このような零細な事務所にご依頼を頂けていること、感謝の言葉しかございません。

深く深く御礼申し上げます。

また、弊所の料金の値上げの際にも、お客様には、ご快諾いただけることが多く、誠に感謝致しております。

さて、弊所も創業19年を迎え、いよいよ事業承継を考え無ければならない時期にきています。

下記のグラフは、現在の弁理士の登録年齢と分布を表したものです。

私の世代(50~55歳代)と45~50歳代が最も多い分布になっています。

これは、何を意味するのかと言いますと、次の15年先には、この最も多い45~55歳のボリュームゾーンが、60~75歳になっているということです。

私も、15年後は、65歳になっています。

これは、弁理士だけに限った問題ではなく、日本全体の問題だとは思いますが、我々の業界にも、この問題が顕著に表れつつあります。

弁理士として、一人前の仕事ができるようになるのには、最低でも、5年は必要です。

技術の複雑化やお客様のニーズの多様化などを考えれば、もう少し時間がかかるかも分かりません。

言われた仕事をこなすというだけの並の弁理士ではなく、自ら、考え、提案し、行動し、権利化業務だけでなく、無効審判や訴訟まで幅広く業務をこなせるようになるとなれば、最低10年は、かかるでしょう。

この話をすると、まだ、高山さんには早すぎるでしょと言われることがあります。

しかし、私は、31歳で独立開業して、今年で50歳、それで、やっと、なんとか、弁理士の全部の業務が満足いくまで出来るようになりつつあると言うところにたどり着いたという状況です。

もちろん、私よりもうまく明細書を書くことが出来る人がたくさんいるのも知っていますし、調査が上手な人、訴訟の対応も長けた人がたくさんいることも知っています。

私は、トータルで、中小企業の知財をサポートするのが一番得意な分野です。この分野では、トップクラスにあるという自負があります。

しかし、中小企業の知財をトータルサポートできる弁理士は、残念ながら、増えなかったというのが、私が31歳で開業して以来の感想です。

ただ、幸いにも、同じような志の方が少数ですが、いらっしゃるのも事実です。

そういう弁理士は、地方に多いかもしれません。

一方、知財を必要としている企業は、大都市に多いです。

実務能力とトータルサポート能力とを備えた弁理士に出会うことは、なかなか難しいことですが、地域の垣根を越えていけば、必ず良い出会いがあるはずです。

すこし、脱線しましたが、まだ、今なら早すぎるということはないと思います。

今年からは、そのような事業承継や後進育成のことも念頭に入れながら、活動を行っていきます。

今後とも、ご指導ご鞭撻のほど何とぞよろしくお願いいたします。

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