商標事例 More Clean 2

さて、前回、指定商品「歯ブラシ」について、商標「More Clean」と「モア\MORE」とが類似であると過去の審査で判断されたと説明しました。

少し法律の話をさせていただきますと、この拒絶の根拠条文は、商標法4条1項11号というものです。
(商標登録を受けることができない商標
第四条 次に掲げる商標については、前条の規定にかかわらず、商標登録を受けることができない。
十一  当該商標登録出願の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標又はこれに類似する商標であつて、その商標登録に係る指定商品若しくは指定役務(第六条第一項(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定により指定した商品又は役務をいう。以下同じ。)又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの

実際、この条文をみても、すぐに分からないと思います。
簡単に言いますと、
  • ①他人の登録商標が自分の商標出願よりも先に出願されている
  • ②他人の登録商標が今も登録されて、権利が存続している
  • ③他人の登録商標と自分の商標出願した商標が同一かまたは類似している
  • ④商標だけでなく、指定商品も同一かまたは類似している
といった条件がこの条文には、書いてあります。
この①から④の全ての条件に該当した場合、登録を受けることができないということになります。
1つでも該当しなければ、登録を受けることができます。
まず、この4条1項11号の考え方は基本中の基本ですので、マスターしてください。
さて、今回の事案では、指定商品は、同じ「歯ブラシ」ですので、④の条件は満たします。
そのため、通常の商標実務では、③の条件、「More Clean」と「モア\MORE」とが類似するかどうかに焦点が集まります。
次回は、この類否判断を考えていきましょう。
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