AI時代に、弁理士は誰のために変わるのか ~AIを活用して生まれる価値を返す力~
次期日本弁理士会会長の選挙公報が事務所に届きました。
そこには、「AI時代における主導権の確保」「適正な対価を得る構造の確立」「リスキリングとセルフブランディング」という3つの重点政策が掲げられています。
「2027年度役員定時選挙 日本弁理士クラブが推薦する会長候補者」のご案内 – 日本弁理士クラブ
これを読んで、私は少し立ち止まりました。
AI時代に、弁理士は何のためにAIを使うのか。
私は2024年7月から、特許調査、発明整理、明細書作成、中間対応、商標・意匠、契約、クライアントへの説明資料など、実務のさまざまな場面でAIを使い続けてきました。
その中で、今のところ自分なりにたどり着いた結論は、かなり単純です。
AIを使って、今までになかった価値を生み出し、その価値を依頼者に返す。
それが、私のAIの使い方です。
AIによって調査や分析が速くなる。文章作成が速くなる。業務全体が効率化される。
もちろん、それ自体にも意味はあります。
ただ、もっと大事なのは、そこで生まれた時間や余力を何に使うかだと思っています。
私は、その時間をできるだけ自分へのインプットに使いたい。
技術を学ぶ。法律を読む。判例を読む。他の業界を知る。本を読む。人と話す。そして、自分でも考え、自分の言葉で文章を書く。
AIの知識量や文章力に、人間が勝てるとは思っていません。
ただ、AIが出してきた答えに対して、
「そこは違う」「その前提はおかしい」「別の見方がある」
と言えるだけの知識と思考力は、持ち続けたいと思っています。
AIによって時間が生まれたなら、その時間を、人間である自分を育てるために使う。
そして、その学びとAIの能力を組み合わせて、また依頼者に価値として返す。
AIを使って価値を生み出し、その価値を返す。
弁理士の使命は、知的財産の活用によって、経済および産業の発展に資することです。自らの報酬にだけ目を向けるのではなく、AIを使って(でも)、今までに無かった価値を生み出し、その価値を、クライアントに返す、その結果、経済および産業の発展に貢献する。それが、弁理士の使命です。
2024年7月からAIを使い続けてきて、今の私には、この方向だけはかなりはっきりしています。私は、本来の使命を忘れることなく、AIを活用したいと考えます。



