商標事例 More Clean 5 結合商標の審査基準を適用してみると・・・

前回から、More CleanとMOREを比較しているわけですが、指定商品は、「歯ブラシ(電動式を除く)」です。

今回の事案では、形容詞的文字はどの部分となると考えられるでしょうか。

歯ブラシなので、歯をきれいにするという機能がありますよね。

だから、素直に、考えて、Cleanのところが、形容詞的文字で、商品の品質を表しているに過ぎないということになります。

Moreのところも、意味があるじゃないかと考えられる方もいらっしゃるかも分かりませんが。

それは、その通りです。ただ、今回の場合、先行商標として、MORE/モアが登録になっていますので、特許庁としては、More部分については、品質表示としての意味合いはないと考えていると判断するのが素直だと思います。

仮に、指定商品「歯ブラシ」に商標「Clean」であったとしたら、これは、単に、商品の品質を表示しているとして、3条1項3号で拒絶されることになります。そのことからも、お分かりいただけると思います。

さて、審査基準に戻りますと、形容詞的文字が付加されている結合商標と、付加されていない商標とは、類似するという考え方になっていたわけですが、今回は、「More Clean」のうち、Cleanが形容詞的文字になっていますので、「MORE」と「More Clean」とが類似しますよというように、考えられるわけです。

よって、教科書通りに考えたら、「MORE」と「More Clean」が類似するので、「More Clean」の登録を受けることはできないということになります。

じゃあ、本当に登録を受けることができないのか?

次回は、これをどうやって登録に導くかということについて、考えていきましょう。

 

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