SEMINAR INFORMATION
生成AI×特許調査・解析・IPランドスケープ業務に関するトピック
GPT Thinkingによる特許調査・解析・パテントマップ・IPランドスケープ
AIで候補を絞り、人が読み、戦略に変える
2026年5月8日(金)15時から17時まで、技術情報サービス協会(ATIS)様主催のセミナーに登壇します。
今回のテーマは、生成AIを活用した特許調査、特許解析、パテントマップ、IPランドスケープです。
単に「ChatGPTで検索式を作る」という話ではなく、特許調査の出発点である発明の構造化から、商用データベースで取得したCSVデータの解析、課題タグ・解決手段タグの付与、パテントマップ化、さらに市場情報を踏まえたIPランドスケープへの接続までを、一連の実務フローとして整理します。
本セミナーでお伝えしたいこと
生成AIは、特許調査の最終判断者ではありません。
しかし、検索式設計、母集合整理、文献スクリーニング、構成要素分析、タグ付け、可視化、戦略仮説の整理を通じて、人間が読むべき文献と考えるべき論点を一気に絞り込むことができます。
セミナーの全体像
今回のセミナーでは、洗濯機における液剤自動投入技術を題材に、次の流れで解説します。
- 調査対象発明を定義する
- Google Patentsのsite検索で一次調査を行う
- FI・IPCなどの分類候補を確認する
- Hypati2などの商用DB用に検索式を設計する
- 商用DBからCSVをダウンロードする
- CSVをAIに投入し、評価軸・タグ候補を設計する
- 課題タグ・解決手段タグをAIに付与させる
- タグ付け済みExcelを用いてパテントマップを作成する
- 市場情報と特許情報を統合し、IPランドスケープとして整理する
第1部:生成AIを用いた特許調査設計
第1部では、特許調査の出発点として、調査対象発明をどのように構造化するかを扱います。
例えば、「洗濯機が3つの液剤投入タンクを備え、第1タンクは洗剤用、第2タンクは柔軟剤用、第3タンクはその他の液剤用である」という発明を、検索に使える構成要素に分解します。
そのうえで、Google Patentsのsite検索による一次調査、FI・IPCの確認、Hypati2用のライン検索式の作成、検索式の人間による修正、商用DBでの母集合作成、CSV評価軸の設計までを整理します。
ポイント
AIに「正解の検索式」を求めるのではなく、調査対象発明の構造化、検索観点の展開、表現揺れの発見、検索式案の生成、文献評価軸の整理を担わせます。
分類の妥当性、母集合の広さ、重要文献の最終確認は人間が判断します。
第2部:分析軸設計とタグ付け
第2部では、商用DBで作成した母集合を、単に「読むための集合」から「分析するための集合」へ変換します。
パテントマップを作成するには、出願年、出願人、FI、IPCなどの定量分析軸だけでは不十分です。
技術内容に踏み込むためには、各文献が「何を課題としているのか」「どのような解決手段を採っているのか」を整理する必要があります。
そこで、AIに要約・課題欄・特許請求の範囲を読ませ、課題タグと解決手段タグの候補を出させます。
その後、人間がタグの粒度、包含関係、重複、分析目的との整合性を確認し、最終的なタグ体系を整えます。
例:課題タグ
補充負担低減、投入量最適化、液剤誤使用防止、多様な液剤への対応、洗濯品質向上、残量管理性向上、液剤劣化・詰まり防止、省スペース化など。
例:解決手段タグ
複数タンク構成、3タンク以上構成、第3液剤対応、液剤種別認識、投入量自動制御、投入タイミング制御、コース連動制御、残量検知・通知、流路洗浄・詰まり防止など。
第3部:パテントマップ化
第3部では、タグ付け済みExcelデータを用いて、実際にパテントマップを作成する流れを扱います。
定量分析では、出願年別件数、出願人別件数、出願年×出願人、FI分類別件数などを確認します。
これにより、技術領域全体の盛り上がり、主要プレイヤー、各社の参入時期、分類上の偏りを把握できます。
定性分析では、出願年×課題タグ、課題タグ×解決手段タグ、出願人×課題タグ、出願人×解決手段タグなどをマップ化します。
これにより、どの課題が増えているのか、どの課題にどの解決手段が使われているのか、各出願人がどの領域に強いのかを可視化します。
パテントマップの目的
きれいなグラフを作ることではありません。
マップを見て、何が増えているのか、どこに空白があるのか、どの企業がどの課題に強いのかを読み取り、次の調査・開発・出願戦略につなげることが目的です。
第4部:IPランドスケープ
第4部では、特許情報だけでなく、市場動向、消費者ニーズ、競合製品、技術トレンドなどを踏まえて、IPランドスケープへ接続する方法を扱います。
IPランドスケープは、特許情報を可視化するだけの作業ではありません。
特許情報は、過去の技術開発と出願活動の記録です。
これを市場情報や競合情報と重ね合わせることで、これからどの領域に知財を取りに行くべきかを検討します。
例えば、洗濯機の液剤自動投入技術であれば、洗剤・柔軟剤だけでなく、香り付け剤、除菌剤、消臭剤、おしゃれ着用洗剤などの第3液剤対応が、今後の差別化領域になり得ます。
そのとき、特許マップ上で第3液剤対応の出願が少なく、市場側では多様な液剤ニーズが高まっているなら、その領域は新たな出願テーマ候補になり得ます。
IPランドスケープの本質
特許情報、市場情報、競合情報、自社の技術力を重ね合わせ、次にどの領域で知財を取りに行くかを決めるための戦略設計です。
AIは、その設計過程で複数の仮説を提示し、人間の判断を支援します。
今回のセミナーで扱う主な実務テーマ
- 生成AIを用いた特許調査設計
- Google Patentsを用いた一次調査
- FI・IPC候補の確認と限界
- Hypati2用ライン検索式の作成
- 商用DBからのCSV取得とAI解析
- 文献ごとの構成要素評価
- 課題タグ・解決手段タグの設計
- AIによるタグ付けと人間による確認
- 定量分析・定性分析のパテントマップ
- 出願人別の強み・弱み分析
- 市場情報を踏まえたIPランドスケープ報告書の作成
生成AIは、知財実務のどこを変えるのか
私は、生成AIを知財実務に取り入れる意義は、単なる効率化ではないと考えています。
もちろん、検索式案の作成、CSVの整理、文献の一次評価、パテントマップの作成など、作業時間の短縮効果はあります。
しかし、それ以上に重要なのは、AIによって「人間が考えるべき論点」が早く見えるようになることです。
AIに任せるべきなのは、候補出し、整理、比較、構造化、タグ付け、初期的な可視化です。
人間が担うべきなのは、調査目的の設定、母集合の決定、タグ体系の修正、重要文献の最終確認、戦略方向の判断です。
今回のセミナーでは、この役割分担を、具体的なプロンプト例と出力例を通じて確認します。
このようなテーマでも講演可能です
これまでのセミナー実績を踏まえ、今回の特許調査・パテントマップ・IPランドスケープ以外にも、次のようなテーマで講演・社内研修を構成できます。
開催概要
| テーマ | 生成AI×特許調査・解析・IPランドスケープ業務に関するトピック |
|---|---|
| 日時 | 2026年5月8日(金)15:00〜17:00 |
| 主催 | 技術情報サービス協会(ATIS) |
| 講師 | たかやま特許商標事務所 弁理士 高山嘉成 |
最後に
生成AIを使えば、特許調査、パテントマップ、IPランドスケープがすべて自動化されるわけではありません。
しかし、生成AIを適切に使えば、調査対象発明の構造化、母集合の整理、文献評価、タグ付け、マップ化、戦略仮説の整理まで、人間が判断する前段階を大きく高度化できます。
今回のセミナーでは、実務で使える具体的なプロンプト例と出力例を示しながら、AIでどこまでできるのか、どこから人間が判断すべきかを整理していきます。
AIで整理し、人が読み、戦略に変える。
これが、生成AI時代の特許調査・パテントマップ・IPランドスケープの実務だと考えています。



