今後の生成AI知財セミナーについて
2026年5月19日開催のサイエンス&テクノロジー株式会社様主催セミナーでは、
生成AIを活用した知財実務について、これまでの検証結果を踏まえ、
特許調査、発明整理、クレーム作成、明細書作成、中間処理、IPランドスケープまでを
一連の実務フローとして整理してお話しする予定です。
今回の資料作成を通じて、私自身の中でも、
「生成AIを知財実務にどう組み込むか」という考え方は、かなり体系化できてきたと感じています。
単に便利なプロンプトを紹介する段階から、
知財業務の各工程において、AIに何を考えさせ、どこを人間が判断するのかを整理する段階に進んできました。
現在、8月頃までセミナーの予定が続いておりますので、
新規のセミナーや企業様向け研修のご相談については、
原則として9月以降の開催分からお受けする形になるかと思います。
今後取り組んでいきたいテーマ
今後は、今回整理した体系を土台にしながら、
さらに実務に近い形で、次のようなテーマも深めていきたいと考えています。
- 各企業様の業務内容や知財体制に合わせた、個別設計型の生成AI知財セミナー
- 発明提案書、調査報告書、拒絶理由対応案などを社内で作成するための実践型研修
- 判例や審査基準を踏まえ、AIに法律論をより深く理解させたうえで出力させる方法
- 特許調査における検索前の前処理、発明構造化、検索観点整理、タグ設計の高度化
- AI出力をそのまま使うのではなく、人間がどのように確認し、修正し、判断するかの教育方法
特に、今後重要になるのは、
AIに単に文章を書かせることではなく、
判例、審査基準、実務上の判断軸を踏まえて、
AIの出力をどこまで信頼し、どこから人間が修正すべきかを見極める力だと考えています。
また、特許調査についても、
検索式をAIに作らせるだけでは不十分です。
調査対象発明をどのように分解するか、
どの母集合を作るか、
どの観点で文献を評価するか、
その前処理の設計が重要になります。
この点についても、今後さらに研究を進めていく予定です。
企業様向けセミナーについて
企業様向けには、一般的な生成AI活用論ではなく、
その会社の業務内容、技術分野、知財部門の体制、発明提案の流れ、特許事務所との関係などを踏まえた
個別設計型の内容にしていくことが重要だと考えています。
たとえば、研究開発部門向けであれば、発明メモや技術説明をどのようにAIで整理するか。
知財部門向けであれば、調査、発明評価、クレーム案、中間処理案をどのようにレビューするか。
経営層向けであれば、IPランドスケープや知財戦略に生成AIをどのように接続するか。
同じ「生成AI活用」でも、対象者によって設計は大きく変わります。
今後は、そのような個別の課題に応じて、
生成AIを知財実務にどのように組み込むかを、より具体的に提案していきたいと思います。
おわりに
生成AIの進化は非常に速く、数か月前に難しいと感じていたことが、
現在では実務上十分に使える水準になっていることもあります。
そのため、現時点での方法論を固定しすぎるのではなく、
実務で検証しながら、必要に応じて更新していく姿勢が大切だと考えています。
生成AIを知財実務にどう活かすかについては、
まだ完成形があるわけではありません。
ただし、これまでの実務検証を通じて、
少なくとも、知財実務の多くの工程で、AIを有効に使える段階には入っていると感じています。
今後も、実務家としての視点を大切にしながら、
生成AI時代の知財実務のあり方を、引き続き研究し、発信していきます。



