商標調査入門~5. IPDLの落とし穴~

5.  IPDLの落とし穴

さて、先ほど、「候補として」と申しました。
実は、IPDLでの検索は、100%安心できるものではないのです。

たとえば、先ほどの「佳能」の例を見ても分かるように、特許庁で付けた称呼が「カノー、ヨシノリ」となっていましたが、「ヨシノウ、ヨシノー」とも称呼可能なわけです。
このように、特許庁が付している称呼は完全なものではないのです。

その証拠に、先ほどの「称呼検索」で、称呼「ヨシノウ」、類似群コード「25B01」を入力して検索してみて下さい。
検索結果に「佳能」はヒットしてきません。
その結果に安心して、もし「ヨシノウ」を出願したら、「佳能」に類似するとの拒絶理由通知を受ける可能性があります。

このように、IPDLでの検索は、100%安心できるものではないのですが、全く同一の商標のように、出願しても明らかに拒絶される商標は、すぐに分かることになります。

その意味で、候補となる商標のふるい分けには、IPDLを用いることが可能なわけです。

しかし、最終的に出願を決められた商標については、やはり、BRANDY等の有料のデータベースを利用して調査をされた上で、出願された方が安心です。
これらの調査については、データベースを使用するだけでなく、ヒットした商標との間の類否判断という問題がありますので、弁理士に相談された方が賢明かと思います。

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